建築家エドワード鈴木氏のマンションとの運命的出会いちょうどそのころ私は運命的な引越しをしたところでした。目黒区にあるそのマンションは建築家エドワード鈴木氏によって建てられたいわゆるデザイナーズマンションの走りでした。そのマンションはたった11戸だけの小型のものですが、すべて3F建てか2F建てのメゾネットタイプで間取りも各々違うというユニークなマンションでした。そしてそれぞれ戸建感覚で小さいながら庭とBBQセット、リビングにはダルマ型の真黒な暖炉があり、部屋の壁も棚もすべて真っ白なモダンで美しい部屋。日本の大手ディベロッパーの開発した四角い統一された箱型のマンションにしかなじみのなかった私にとっては衝撃的でした。 玄関を入り一目見た瞬間にこの部屋に魅せられてしまい、部屋を一巡したときにはもう引越しを決めていました。余談ですが数年前から偶然いろいろなお仕事でご一緒させていただくようになったエドワードさんにこのマンションがいかに衝撃的で素敵だったかを話すといつもとても盛り上がります。本当に出色の出来栄えのマンションでした。しかし3F建で200平米は超えるこの部屋をいったいどうやってしつらえたらいいものかとわたしは途方に暮れました。これまで持っていた茶系のややクラシックな家具はまったくこの家には合わない、そしてこれほど建物として完成している家にそれを打ち壊してしまう物は置けないと思いました。 |
建築家エドワード鈴木氏のマンション(インテリア完成後) |
それで私は、それまでさほど興味があったわけではないインテリア雑誌などを片端から読み始めました。しかし当時そういったテイストの家が日本に少なかったせいもあり、中々気に入ったテイストのものがみつからず難航していたのですが、ふと見たGRAZIAのインテリア特集で「これだ!」と思う家に出会いました。それは当時の橘田の自宅のインテリアで白を基調にしたモダンなインテリアにアジアンテイストがミックスされた温かみがあるものでした。 モダンというと住んでいる人の個性がまったく感じられないホテルのようなインテリアコーディネートが多い中、そのコーディネートはとても新鮮でまさに捜し求めていたものに出会えた瞬間でした。すぐに雑誌社に電話をして連絡先を聞き、橘田に連絡をとりコーディネートの依頼をしました。 |
Suite in Style Story |